日本の動物事情

現在日本で、犬・猫などのペットを飼っている人は、2000万人を超えています。これは、少子化が進む日本では、15歳の子供の人口を大きく上回る数です。
これほどペットが身近になった今、日本の動物たちが置かれた環境について、改めて考え直さなければいけません。

去勢・避妊手術は飼い主の任意

欧米などではペットの去勢・避妊手術は義務化されていますが、日本ではまだ飼い主の判断に任されています。そのため、手術をしていない猫を自由に外に出していて、不必要に子供を産ませてしまうことが多くあります。
手術をしない理由として、手術がかわいそう、自然の状態が一番良い、手術代が高い、必要ない、などが考えられますが、年間約24万頭の犬・猫が殺処分されている現状を考えると、ペットはもちろん、飼い主のいない猫などの去勢・避妊手術は急務です。

マイクロチップの普及率は5%以下

もうひとつ、欧米では普及率がかなり高いのが、マイクロチップです。日本では、ペット登録件数の5%未満にしか挿入されておらず、認知度もまだ低い状態です。
犬や猫などの動物が、人間のペットとしてしか生きられなくなった現代社会において、犬や猫を正しく管理することは飼い主の義務と言えます。
動物愛護センターでは、迷い犬や迷い猫を誤って処分してしまうことがあります。これは、飼い主が自分のペットが施設に保護されていることに気がつかず、拘留期間を過ぎてしまうからです。このような不幸な事例をなくすためにも、またペットを終生飼育するのだという意識付けのためにも、マイクロチップを普及させていく必要があります。

殺処分の現状

犬・猫の殺処分数は減少傾向にあります。とはいえ、年間約24万頭が、人間の都合によって命を絶たれている現状を、私たちはもっと真摯に受け止めなくてはなりません。これは、日本人としての資質に関わる問題だからです。
愛護センターに持ち込まれる動物は、引っ越しや経済的理由で飼えなくなった犬や猫、飼い主の不注意で産ませてしまった子犬、そして猫においては、殺処分される80%が小さな仔猫です。どのケースも、人間が正しく管理していれば防げることばかりです。
日本は豊かになり、動物に癒しを求める人が増えました。殺処分以外にも道はあるはずです。「かわいそうだから」と、現実から目をそむけるのではなく、この問題に正面から取り組む時が来ています。

動物に関する法整備の必要性

現在、5年に1度の動物愛護法に向けて、さまざまな取り組みが行われています。
生後8週齢未満の動物の販売について、夜間の生態販売について、多頭飼育の問題について、動物取扱業についてなど、議論は多岐にわたっています。
平成23年末に行われた環境省によるパブリックコメントには、12万件以上の意見が一般から寄せられ、関心の高さを示しました。日本の動物を取り巻く環境は、まさに今変ろうとしています。乗り越えるべき課題はまだ多いのが現状ですが、人間の意識が変われば、社会を変えることは不可能ではありません。