海外の動物事情

世界の国々の動物事情を知ると、いかに日本が動物愛護・保護の面で遅れているかが分ります。ここではほんの一部ですが、本当に動物に優しい社会を実現するために現在も努力している世界各地の例を紹介します。

アメリカ ~アニマルポリスとサンフランシスコの取り組み~

アメリカにはアニマルポリスという動物専門の警察官がいます。彼らは一般の警察官と同じ権利を持っています。たとえば、虐待を受けている動物を強制的に保護したり、警告に従わない飼い主を逮捕することができます。
アニマルポリスの存在もすごいと思ってしまいますが、何よりも日本が見習わなければいけないのは、「かわいそうな動物がいたら通報するのが当たり前」という、一般市民の動物に対する意識の高さです。

さらに彼らは、「散歩をさせない」、「短い鎖でいつもつながれている」など、動物を適正に飼わないものも虐待とみなしています。 州によって法律もさまざまですが、動物に関するいろいろな罰則なども細かく決められています。リードをつけずに散歩していると100ドル、虐待がひどい時には、禁固刑も用意されているのです。 また、サンフランシスコなどでは、去勢・避妊手術をしていないと、毎年100ドルの登録料を支払わなければならなかったり、動物を守るための取り組みは充実しています。 注:州によって事情が異なり、アメリカを動物先進国と呼ぶには、もう少し時間がかかりそうです。

ドイツ ~動物を飼うならティアハイムへ~

ドイツで犬を飼おうと考えたら、人々はペットショップに行くのではなく、「ティアハイムに行こう」と言うそうです。
ティアハイムとは、ドイツにある保護施設のこと。ドイツ全土に約500か所あり、そこは日本の保健所とは比べ物にならないくらい、広くて明るい施設です。何も知らずに訪れたら、美術館か何かと勘違いしてしまうかもしれません。
「犬を殺さない」これはドイツの人にとっては当たり前であり、ティアハイムの動物たちに「殺処分までの期限」はありません。 動物を迎える時には、本当に飼えるかどうか厳しい審査があり、家族構成や労働時間、過去の飼育歴などを詳細に答えなければいけません。でもこれも動物たちが幸せに生きるため。社会全体が動物を飼うことについて成熟しているようです。

ドイツにも、動物保護法のもとにたくさんの規則があります。屋外で飼う場合は小屋の床に断熱材を使用しなければならない、檻で飼うなら1匹あたり最低6平方メートルの広さを確保しなければならない、などなど。 現在日本で検討中の「犬税」もあります。1匹あたり、年1~2万円が相場のようです。これだと安易に犬を飼って捨てる人に対する抑止力にもなりそうです。

オーストリア ~動物がいるのは自然なこと~

動物生理学者コンラート・ローレンツの出身地、オーストリアには、動物の殺処分施設はありません。何らかの事情で遺棄された動物たちは、アニマルシェルターで新しい家族を待ちます。ドイツと同様、そこに期限はありません。
オーストリアには、ペットだけでなく、動物の権利法というものがあります。サーカスに野生動物を使ってはいけない、ドーベルマンのしっぽを切ってはいけない、ペットショップで動物を陳列してはいけない、などです。
また、鶏の狭いケージ飼いを禁止し、牛をロープできつく縛ることも禁止されています。これらの法律は、議会の満場一致で可決されました。先進国では当たり前となった「生後8週齢までの子犬・仔猫の販売を禁止する」という法案でさえも、日本ではなかなか通らないことを思うと、あまりの意識の差に愕然としてしまいます。

オーストリア出身で、現在は日本で動物保護活動をしているマルコ・ブルーノさんは、その著書の中で、「日本の犬にだけは生まれ変わりたくない」と、偽善的な日本の体制を痛烈に批判しています。